「〇〇のライブチケット、SNSで譲ってもらおうかな…でも直接やり取りは不安だな。」
そんな風に考えたとき、「ラクマ通し」という言葉を見かけたことはありませんか?
SNS(X / Instagramなど)では、個人間でのチケット譲渡の際に「ラクマを通して取引しませんか?」と提案されることがあります。
チケット譲渡にフリマアプリ「楽天ラクマ」を仲介させることで、安全に取引を終えようという目的があるようです。
一見、安心な取引方法のように思えるこの「ラクマ通し」ですが、実は多くの危険が潜んでいます。
この記事では、「ラクマ通し」の仕組みや流れ、なぜ使われるのかを解説したうえで、絶対に知っておくべき「ラクマ通し」の本当の危険性について深掘りしていきます。
当記事は、決してラクマ通しを推奨するものではありません。
ラクマ通しとは?
ラクマ通しとは、SNSなどで知り合った者同士がチケットの取引を行う際に、フリマアプリ(この場合は楽天ラクマ)を仲介させる手法です。
アプリ通しと呼ばれることもありますが、ラクマを利用する際にはラクマ通しが一般的です。
アプリ通しはメルカリやYahoo!フリマなど他のフリマアプリを仲介させる場合に使われます。
SNSでのチケット取引でラクマ通しが使われる理由
SNSでつながった者同士が、チケットの取引をする際、ラクマを仲介させる理由は、直接取引による詐欺やトラブルを避けるためです。
SNS上だけのやり取りだと、お金を振り込んだのにチケットが送られてこない、連絡が取れなくなる…といった持ち逃げ詐欺が発生しやすい問題があります。
ここにラクマを仲介させると、買い手側が代金を支払い、チケットやデジタルチケットのログイン情報を受け取り後、受取評価をしないと売り手側には売上金が反映されない仕組みになっているため、持ち逃げ詐欺が難しくなります。
買い手側は、受け取ったチケットに何か問題があった場合、受取評価をしなければ相手に代金が支払われることはありません。
無効なコードや無効なチケットを防ぐため、入場後に受取評価を行うことで安全性がある程度確保できます。
このシステムによって代金だけを騙し取られるリスクを軽減できるというわけです。
実際に代金の支払いはラクマを仲介させますが、価格や出品情報、チケットの詳細、ログイン情報などはSNSのDMでやり取りするのが一般的です。
ただし、これらの行為はラクマの利用規約に違反します。
実際には禁止行為だと知りながらも、あえてラクマ通しを希望する人もいます。
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参考ラクマの禁止行為に注意!【ペナルティ対象】
ラクマには、利用規約で定められている禁止行為があります。 ラクマに限った話ではありませんが、やはり個人売買の場というのは取引する者同士のちょっとした認識や価値観の違いなどで思わぬトラブルが発生すること ...
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ラクマ通しでチケット譲渡を希望するSNSの投稿事例
SNSを覗いてみるとラクマ通しでチケットのやり取りを希望するポストがポツポツと見受けられます。
ラクマ通しの典型的な実例ポストをいくつかご紹介しておきます。
【譲】〇〇(アーティスト名) 東京公演 12/10 通し券 2枚 定価+手数料で譲ります。ラクマ通し希望。 ラクマ出品後、購入者様は入場確認後に受取評価をお願いします。 DMで詳細お話ししましょう! #チケット譲渡 #ラクマ通し
【求】△△フェス 3日間通し券 1名分 ラクマ通しで購入希望。出品していただける方DMください。 シリアルコードは入場後に評価します。詐欺防止のためラクマ以外不可。 #フェスチケット #ラクマ通し
【譲】□□(イベント名) オンライン配信チケット 1名分 ラクマ通しで取引希望。購入後、コードをメッセージで送ります。 視聴確認後の評価をお願いします。詳細はDMで! #オンラインチケット #ラクマ通し
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ラクマ通しのやり方
ラクマ通しによるチケット取引は、通常の出品方法とは若干異なります。
ラクマでは発行元が転売を禁止しているチケットの出品は禁止されているため、そのまま出品したら削除される可能性が高いですからね。
営利目的のチケット出品は、運営にも目をつけられやすいうえに、他のユーザーさんから通報されるリスクもあります。
チケット売買のラクマ通しは、利用規約に違反する行為です。
ラクマ通しの具体的な手順
ラクマ通しでチケットをやり取りする際、まずはSNSのDMなどで詳細や価格などの情報を伝えます。
相手が同意したら、売り手はラクマに出品します。
ラクマ通しのやり方は次の手順が一般的です。
1.出品(売り手)
売り手がラクマにチケットを出品します。
ただし、チケットをそのまま出品するのはラクマの利用規約に抵触し、運営に見つかったら削除されるリスクがあるため、代わりの商品をダミー出品したり、◯◯様専用といった形式で専用出品するのが一般的です。
専用出品については以下の記事で解説しています。
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参考ラクマでの専用出品のやり方と出品ページの画像の作り方
メルカリをはじめとするフリマアプリでは、値下げ交渉が成立した場合などに特定のユーザーさん専用の出品ページを作成する文化が昔から根付いています。 ラクマも例外ではありません。 ラクマに出品されている商品 ...
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価格にラクマの出品手数料を上乗せする場合は、事前に購入希望者さんに伝えておきます。
2.購入希望者にSNSでDM(売り手)
ラクマに出品したら、買い手にSNSのDMで商品ページのリンクを送ります。
リンクの送り方は、シェア機能を利用すると便利です。
シェア機能については以下の記事を参考にしてください。
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参考ラクマのURLを貼るのに便利な「ショップをシェアする」
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3.購入・支払い(買い手)
買い手がラクマで商品を購入し、代金の支払いを行います。
代金の支払いが完了すると、出品者側に通知されます。
4.発送・情報交換(売り手)
紙チケットの場合は、郵送での譲渡になるわけですが、デジタルチケットはラクマの取引メッセージでコードやログイン情報を知らせることも可能です。
また、デジタルチケットのログインはSNSのDMでやり取りされるケースも多いようです。
チケットの発送、コードやログイン情報の送信が完了したら、買い手側はラクマ上で発送通知を行います。
5.受取評価(買い手)
買い手側は受け取ったチケットやログイン情報で無事に入場・利用できたか確認し、問題なければラクマ上で受取評価を行います。
問題があれば、受取評価せずに買い手に連絡し、話し合いで解決しましょう。
入場前に受取評価すると、チケットが無効だった場合、トラブルに発展するのでご注意ください。
6.評価→取引完了(売り手)
買い手が受取評価を行った後、売り手側が評価をすれば取引完了となります。
無事に取引が完了すれば、買い手側のラクマアカウントに売上金が反映されます。
これでラクマを介してチケット売買が完了しました。
ラクマ通しの注意点
ラクマ通しで注意することを列挙しておきます。
- 取引する前に相手のSNS、ラクマのプロフィールをよく確認しておく
- 代金にラクマの手数料を上乗せする場合は買い手の了承を得る
- DMや取引メッセージはスクショしておく
- デジタルチケット・通し券は必ず入場・利用確認後に受取評価する
- 不審な点があれば取引を中止する
そもそもチケット売買がラクマの規約違反にあたるので、通常の取引よりも慎重にならざるを得ないのが実情です。
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【超重要】チケットをラクマ通しで取引する行為は極めて危険
SNS上ではチケットのラクマ通しが一部のユーザー間では、当たり前のように行われているようですが、明らかにラクマの利用規約に違反します。
ラクマの規約違反には、利用停止などの厳しいペナルティが課される可能性があり、極めて危険です。
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参考ラクマで機能制限・利用停止などのペナルティを受けるとどうなる?
ラクマで規約違反が発覚した場合、事務局の判断によって一部の機能制限や利用停止といったペナルティを課せられることがあります。 普通に利用していれば、まずペナルティを受けるようなことはないとは思いますが、 ...
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最悪の場合、ラクマのアカウントが停止・永久追放されるかもしれません。
当然、取引中に問題が発生してもラクマ事務局はサポートしてくれないのでご注意ください。
ラクマ通しだけで主に次のような違反行為に該当します。
営利目的のチケット転売
定価を超える販売はもちろん、定価以下であってもチケット転売、営利目的と判断されれば規約違反です。
SNSで「譲ります」「求めています」とやり取りしている時点で、個人的な譲渡というよりは取引行為と見なされる可能性が高いといえるでしょう。
さらにチケット不正転売禁止法への抵触の可能性も考えられます。
デジタルチケットやログイン情報の出品は禁止行為
デジタルチケットのログイン情報やシリアルコードだけをメッセージで送る取引は、ラクマでは認められていません。
「物」として存在しないものを取引する行為自体が禁止行為です。
ダミー出品はラクマでは違反行為
チケットを隠して、全く関係ない商品などを出品し、SNSのDMなどでチケットのことを案内する「ダミー出品」はラクマの利用規約に違反する行為です。
不審な動きを疑われても仕方ありません。
ラクマ通しでトラブルが発生したらどうする?
通常だとラクマの取引でトラブルが発生した場合、事務局に相談できます。
しかし、ラクマ通しでチケット売買する行為は利用規約に違反するため、トラブルが発生しても事務局のサポートは受けられません。
詐欺にあったとしても、泣き寝入りするしかないということです。
ラクマ通しは安全ではない!
チケット譲渡にラクマ通しは、直接取引よりも安全だといわれることが多いですが、ラクマの規約違反である以上、決して安全だとはいえません。
実際に以下のようなトラブルや詐欺も存在します。
- 転売されたチケットと認識された
- 偽のチケットが送られてきた
- 複数人に同じコードが販売されている
- ラクマが利用停止になった
- トラブル発生後、相手にSNSでブロックされて音信不通になった
ラクマ通しは、ラクマのシステムを悪用した取引です。
規約違反とわかっていて利用している人も一定数いるようですが、危険と隣り合わせにある取引だと肝に銘じておきましょう。
ラクマ通しは、あくまで自己責任であり、非奨励の取引方法です。
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